みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE9

安政二年震災記事 完 - 翻刻

安政二年震災記事 完 - ページ 54

ページ: 54

翻刻

 持出る間にははや火の子雨の如く家財一品も出さず丸焼ニ成  しとなん此時に大久保彦左衛門殿自筆の一軸焼失と承  りぬ誠に残りおしき事也 ○役寄合高千五百石右同所伏屋七之助殿此夜賀義有て  家士等に酒を呑せ其身も打伏たる所俄の震動ニ而屋敷潰れ  当主家士共八人即死屋敷は残りなく焼失也 ○役寄合高三千三百石右同所佐藤金之丞殿今日組頭用事  に付彼方へ参られ帰宅有て座敷へ入上下を解んとするとき  右地震にて屋敷崩落主従三人死ス表長屋三人女部屋侍部屋  にて六人即死中間部屋ゟ出火ニ而残らす焼失 ○当時御老中十月五日迄平勤拾万石西丸下堀田備中守殿  小川町在住の節地震ニ而屋敷悉潰れ当主崩家の下に  ならる其時陸尺伝蔵平右衛門と云者両人駈来り家根瓦を  取除漸救ひ出したり又侯僅に足を怪我を被致けれども  其侭登 城有之尤此夜は御用召御内意ゆへ奥表共御用  書物調にて灯火炭火等迄沢山に有之故直に出火となり  当主留守中ニ屋敷不残焼失鎮りて後右陸尺伝蔵平右  衛門弐百石ツヽ被下無役の者に召出されしとなん ○小川町定火消屋敷当時御頭無之手明組也右組同心鳶  人足共三十八人即死怪我人百余人其上屋敷残らず焼失