翻刻
失わさりしとなん
○小石川御門内伊予今治高三万五千石松平駿河守殿には今日
五人客来有之有馬日向侯池田右京侯残り酒宴有之同夜
戌刻帰宅当主壱人謡を唄居る所地震二而屋敷潰れ
家士戸塚助太夫小泉三郎右衛門駈着主人を救出す所に
茶の間より出火して家中不残焼失即死焼死共士分廿八
人足軽中間五十余人のよし
○一ツ橋外高五万石松平豊前守殿御玄関奥へ懸けて潰れると
いへども当主幸に無戻也家士中間合九十六人男女二十七人
乗馬十一疋死失怪我人百余人自火自焼なり
○小石川御門内高十二万石松平讃岐守殿当主無戻家来
三十三人侍女廿九人即死怪我人百五十余人庭中ニ三日の間
野宿いたしたりとなん
○大手前高拾五万石酒井雅楽頭殿は潰れ間もなく奥台
子間ゟ出火土蔵迄残りなく焼失家来即死八十四人奥
侍女百六十三人死す怪我人数知れず
○御先手御鉄炮頭小川町猿楽町高五百石小笠原平兵衛殿
御誂大筒之義ニ付杉屋鍗之丞入来注文書相渡帰宅同時
地震にて玄関江駈出ると客の間より一同に潰れ即死す
半井氏より出火にて不残類焼家士十一人外ニ男女廿七人