翻刻
又おとゝかき次郎は同じくばけ
てそのきんしよに□□【こう(香)?】しやうばい
をいたしのうれんにしろきつね
よりゆつりうけしかきをそめぬき
みせはんしやうせしゆへそのゝちきやう
だいのものくわんゐをゑてすぎの
もりいなり大明神とあがめられ
まい月富のこうぎやうありて人の
くんしゆは おこさまがた御ぞんしの
とをりいつれもたつときいなりさま
つうりきしたいのいろのしかう【通力次第の色のしかう?】
おもひついてきつねの通人とは
だいしぬ【題しぬ】いのり給へ〳〵
可笑戯作 清長画
現代語訳
また音々垣次郎も同じく化けて、その近所で香商売を行い、暖簾に白狐から譲り受けた垣を染め抜き、店が繁盛したので、その後京大の者官位を得て、杉の森稲荷大明神と崇められた。毎月富の興行があって、人の君主はお子様方ご存じの通り、いずれも尊い稲荷様、通力次第の色の仕方を思いつき、「狐の通人」と題して祈り給え。
可笑戯作 清長画