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コレクション: STAGE1

訓蒙 天然地理學 中 - 翻刻

訓蒙 天然地理學 中 - ページ 33

ページ: 33

翻刻

|四方(しはう)に|送(おく)り、|海水(かいすい)より|蒸発(じやうはつ)する|湿気(しつき)を|運輸(うんゆ)して、 |陸地(りくち)を|湿(うる)ほし、|且(かつ)|肥沃(ひよく)ならしめ、|草木(そうもく)の|種子(たね)を数(すう) 里(り)の外(ほか)に伝(つた)へて、植物界(しょこうぶつかい)を広大(くわうだい)ならしむ、    |風(かぜ)の種類(しゆるい) 風(かぜ)に三つの種類(しゆるい)あり、恒信風(こうしんふう)、定期風(ていきふう)、不定風(ふていふう)是な り、〇恒信風(こうしんふう)は|大約(たいやく)|赤道(せきどう)|南北(なんぼく)二十八|度(ど)の|地(ち)にあ つて、|大西洋(だいせいやう)【大西洋の左に傍線】と|大東洋(だいとうやう)【大東洋の左に傍線】とにて吹(ふ)く所(ところ)の風(かぜ)なり、但(たゞ) し日(ひ)の纒度(めいど)に随(したが)ひて、其|界(たかい)|南北(なんほく)に進退(しんたい)すること、 二三|度(ど)に|至(いた)ると云ふ、〇此風(このかぜ)の原名(げんめい)をトレード【トレードの右に傍線】 風(ふう)といふ、トレードは|西国(せいこく)に於て古(ふる)くトレーキ なる詞(ことば)と同義(どうぎ)に用(もち)ひたり、トレーキは蹤跡(しようせき)の義(き) にて、|此(この)|風(かぜ)|常(つね)に|方向(はうこう)を|改(あらた)めず、|恰(あたか)も蹤跡(しようせき)を追(お)ひて 行(ゆ)くが如(ごと)くなる故(ゆゑ)に、|此名(このな)を命(めい)じたりと云ふ、  啓いはく、一説(いつせつ)にトレードなる語(ご)は貿易(ほうえき)の義(ぎ)  にして、トレード風(ふう)は、即(すなは)ち貿易風(ほうえきふう)なり、蓋(けだ)し火(くわ)  |輪(りん)|船(せん)あらざりし世(よ)には、|此(この)|風(かぜ)|大洋(だいやう)を|航(こう)する賈(か)  舶(はく)に|最(もつと)も便利(べんり)なりし|故(ゆゑ)|此名(このな)ありといへり、大(おほ)  いに|本文(ほんもん)の説(せつ)と径庭(けいてい)あれども、未(いま)だ孰(いづ)れか是(し) 天然地理学 巻之二          三十二