翻刻
〇或ハ心臓病
〇浴法 《割書:温度百拾五度|水量一時間流出廿七石余ナリ》
入浴ハ一日一回或ハ二三回患者ノ適宜ニ由ル可シ
又入浴ノ時間ハ患者ノ体質泉温ノ高低等ニ依リ
ト同シカラスト雖モ大凡五分乃至三十分間初時ハ
短ク漸ク慣ルゝニ従テ其時間ヲ長フスヘシ
飲用ニハ朝夕二回涌口ノ清潔ナルモノヲ採酌シ適
宜放冷シテ服用スヘシ一回ノ量ハ六十瓦 凡三夕余 乃
至四百瓦 凡二合二夕余 ヲ少量ヨリ初メ漸々増加ス
ベシ
但シ詳細ナル応用法ハ医師ノ指揮ニ従フヘシ
明治廿三年二月廿八日 宮城県 印
〇主治効能(しゆちこうのう)
抑此温泉(そも〳〵このをんせん)たるや神仏加護(しんぶつかご)の霊液(れいえき)にして普(あまね)く効(こう)
験著(けんいちしる)すなることは庶人(しよにん)の知(し)る処(ところ)なれば挙(あげ)て論(ろん)
に及(およ)ばず慎(つゝし)んで浴治法(よくぢはふ)を請(こ)はしむべし第一腎(だいいちじん)
を補(おぎな)ひ精神(せいしん)を益(えき)し脾胃(ひゐ)を強(つよ)くし飲食(いんしよく)を進(すゝ)め中(ちう)
和中分(くわちうぶん)の気血(きけつ)を調理(てうり)するが故(ゆへ)に子未産婦人(こなきふじん)も
終(つひ)に懐胎(くわいたい)すると言(い)ふ伝(つた)へたり然(しか)りと雖(いへ)とも左(さ)
に記(き)したる病名(やまひのな)を疑(うたが)ひなく適応(てきをう)する者(もの)なれ共(とも)
猶患者(なほくわんじや)が医師(ゐし)に就(つ)へて宜(よろ)しく該泉(がいせん)に適当(てきたう)する
や否(いな)やの指図(さしづ)を受(うく)るは最(もつ)ともよろしとす