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コレクション: とりあえず気になる

一休はなし(元禄十三) - 翻刻

一休はなし(元禄十三) - ページ 60

ページ: 60

翻刻

  来らずさらぬ道をゝしへん との給へは。新右衛門も実(けに)もとや思はれけん。其後はおと せずなりけり人みな是を聞てまことに人間には あらず。たゞ仏菩薩(ぶつぼさつ)のかりにあらはれ。ひとり来てひと り帰るみちといへば。来らずさらぬとの給ふ。扨も有がたや と。見る人聞人あかねのかわをすりて。おがまぬもの はなかりけり。老子の云(いわく)。死(し)してもほろびざるもの はいのちながしといへるは。かゝるためしなるべし 【以下OCRのまま】 【新右衛門が女房の事】 『九』新を番が最愛の妻いとけなき時よりよろつ 心みぢかく。たけ〳〵しかりければ。かなしき者にも じひのめぐみなく。めしつかふわらはにも。哀情のな さけうすかりけり。されば人は似を友とするならひ成 に懐道の居士になれそひてだうときをしへをし らざりける事。いか精むくひのはちなるべしとみな 人ごとにさみしける新右衛門あけくれふびんに思ひ てもとより道者の事なれはたましゐをくだき にうはのおしへをすゝめける。しかれ共露したがふ けしきみえざりけり。ある時あまりいたくせいし ければ。女房かほをあかめて聞えけるやに あさ糸のながしみじかしみじかしや うむのふたつにいつかはなれん とたゞかやうによみておともせず親当おどろき 納ま 中巻