翻刻
【右丁】
薄荷(はくか) メンタ ピペリタ《割書:羅|甸》
めくさ
原野(けんや)の湿地(しめりち)に生(せう)す方茎(はうけい)対生(たいせい)し葉(は)円(まるく)して尖(とがり)あり葉(は)を揉(もめ)は
甚(はなはた)芳香(はうかう)なり茎(くき)高(たか)さ二三尺 節間(ふしのあいた)に小き淡紫花(うすむらさきのはな)を開(ひら)く一種
葉(は)円(まる)くして大(おほひ)なるものあり此物(このもの)上品(じやうひん)なり
【左丁】
一種 まるば薄荷(はくか)《割書:和|俗》
ひめはくかとも云(いふ)紀州(きしう)熊野(くまの)の産(さん)
なり形(かたち)前種(せんしゆ)に似(に)て小く円(まる)し淡(うす)
紫花(むらさきのはな)を開(ひら)く香気(かうき)亦(また)良(よし)方茎(はうけい)対生(たいせい)
し茎(くき)直立(ちよくりつ)せずして蔓(つる)の如(こと)し
蘇恭(そけう)云(いふ)一種 蔓生(まんせい)の物(もの)これなり
#1
一種 伊吹(いふき)じやかうさう ウイルデテーム《割書:和|蘭》
石薄荷(せきはくか)《割書:集解|蘇頌》
越後(ゑちこ)及 江州(ごうしう)伊吹山(いぶきやま)にあり葉(は)の形(かたち)遠志(をんし)
に似(に)て対生(たいせい)茎(くき)細(ほそ)くして紅色(あかいろ)地上(ちしやう)に延(のび)て
莭(ふし)#2より根(ね)を下(くだ)す葉(は)味(あじはひ)辛(から)く気(き)香(かんば)し夏(なつ)
梢(こすへ)に淡紫色(うすむらさき)の小花 攅族(さんぞく)して毬(きう)の如(こと)し薄(はく)
荷(か)に似(に)て気味(きみ)辛烈(しんれつ)なり
【版心の中央】石薄苛【「荷」の誤ヵ】