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コレクション: STAGE1

江戸 大地震末代噺の種 全 - 翻刻

江戸 大地震末代噺の種 全 - ページ 2

ページ: 2

翻刻

関東|大地震末代噺(おほぢしんまつだいはなし)の|種(たね) |地底鯰(ちていなまづ)の|図(づ) ゆるぐ   とも よもや  ぬけ じ  の かな    め  い   し かしまの 【図の下へ続く】 神のあらん   かぎ   りは 【図中央太線内】 さがみ するが とほ〳〵み みかは をはり あふみ するが【富士山の図】 むつ むさし江戸 上つけ しなの みの  みづうみ えちご ひだ ゑちぜん    【図右側から】      八丈  ながと    あはぢ 下ふさ 下つけ かづさ あは いづ おはり しま やまと きい  あは 四国 とさ 大すみ    いせ かはち いづみ ひつ中 さぬき いよ ひうが さつま    いが つのくに ひんご びぜん あき みまさか すはう ふんご ひご    山しろ たんば たんご はりま びぜん いはみ ながと ぶぜん ちくご ひぜん    つがなんぶ では ゑつちう のと ちみ かが たじま わかさ いなば いづも ちくぜん    まつまへ としま しま さど おき たかさご つしま みまな いき   ○地震(ぢしん)は陽陰(やういん)の下(もと)に伏(ふく)し陰(いん)に迫(せま)らる故(ゆゑ)に陽(よう)昇(のぼ)ること能(あた)は ず以(もつ)て地(ち)動(うご)くに至(いた)ると又 地(ち)の中(うち)に竅(あな)あつて蜂(はち)の巣(す)のごとく にして水(みづ)潜(くゞ)り陽気(やうき)常(つね)に出入(いでいり)すその陰(いん)相和(あひくわ)する時(とき)は常(つね)となし如(もし) 陽気渋滞(やうきとゞこほり)て出(いづ)ることを得ず歳月(としつき)を積(つん)で後(のち)|陽陰下(やういんのもと)に盈余(みちあま) りつひに発出(はつしつ)するときは是(これ)が為(ため)に地(ぢ)震動(しんだう)す故(ゆゑ)に始(はじめ)て震(ふる)ふ ときは猛烈(まうれつ)なりといへども次(つぎ)に震(ふる)ふはみなこと〴〵く緩柔(ゆるやか)也と云 【上部墨書】 江戸田所町庄助屋敷大坂屋主

現代語訳

# 関東大地震・末代語りの種 ## 地底鯰の図 *(図の周囲に記された和歌)* ゆるぐとも よもやぬけじの かなめ石 鹿島の神の あらんかぎりは *(図中央・太線内の地名:被害を受けた地域)* 相模・駿河・遠江・三河・尾張・近江・駿河【富士山の図】 陸奥・武蔵(江戸)・上野・信濃・美濃・湖・越後・飛騨・越前 *(図の周囲の地名)* 八丈島 長門 淡路 下総・下野・上総・安房・伊豆・尾張・志摩・大和・紀伊・阿波・四国 土佐・大隅 伊勢・河内・和泉・備中・讃岐・伊予・日向・薩摩 伊賀・つの国・肥後・備前・安芸・美作・周防・豊後・肥後 山城・丹波・丹後・播磨・備前・石見・長門・豊前・筑後・肥前 津軽・南部・出羽・越中・能登・珍味・加賀・但馬・若狭・因幡・出雲・筑前 松前・利島・島・佐渡・隠岐・高砂・対馬・任那・壱岐 --- ○地震は、陽気が陰気の下に潜り、陰気に圧迫されるために、陽気が上昇することができず、それによって大地が動くのだとされる。また、大地の中には穴があり、蜂の巣のようになっていて、水が流れ、陽気が常に出入りしている。その陰気と陽気が調和している時は平常であるが、もし陽気が滞って外に出ることができず、長い年月を経て、陽気が陰気の下に満ちあふれ、ついに噴き出す時には、それによって大地が震動する。それゆえ、最初に揺れる時は猛烈であるが、その後の揺れはすべて次第に穏やかになると言われる。 *【上部墨書】* 江戸田所町 庄助屋敷 大坂屋主

英語訳

# The Great Kantō Earthquake: Stories for Future Generations ## Illustration of the Catfish Beneath the Earth *(Waka poem surrounding the illustration)* "Though it may tremble, surely the keystone will not slip free as long as the god of Kashima remains present." *(Place names within the central bold-bordered area — affected regions)* Sagami, Suruga, Tōtōmi, Mikawa, Owari, Ōmi, Suruga [illustration of Mt. Fuji] Mutsu, Musashi (Edo), Kōzuke, Shinano, Mino, [Lake], Echigo, Hida, Echizen *(Place names around the illustration)* Hachijō Island, Nagato, Awaji Shimōsa, Shimotsuke, Kazusa, Awa, Izu, Owari, Shima, Yamato, Kii, Awa, Shikoku Tosa, Ōsumi Ise, Kawachi, Izumi, Bitchū, Sanuki, Iyo, Hyūga, Satsuma Iga, Tsu Province, Higo, Bizen, Aki, Mimasaka, Suō, Bungo, Higo Yamashiro, Tanba, Tango, Harima, Bizen, Iwami, Nagato, Buzen, Chikugo, Hizen Tsugaru, Nanbu, Dewa, Etchū, Noto, [unclear], Kaga, Tajima, Wakasa, Inaba, Izumo, Chikuzen Matsumae, Toshima, [island], Sado, Oki, Takasago, Tsushima, Mimana, Iki --- ○ It is said that earthquakes occur because yang energy (yōki), lying beneath yin energy (inki), is pressed down by the yin and is therefore unable to rise, causing the earth to move. Furthermore, within the earth there are cavities like a beehive, through which water flows and yang energy constantly enters and exits. When the yin and yang are in harmony, all remains normal; but if the yang energy becomes stagnant and cannot escape, and accumulates beneath the yin over many months and years until it overflows and finally bursts forth, this causes the earth to tremble and shake. Therefore, the first tremor is violent, but subsequent tremors are said to gradually become gentler. *【Ink inscription at top of page】* Edo, Tadokoromachi — Shōsuke's residence — Owner: Ōsakaya