翻刻
床の上二三尺は上りたる由人の損したる沙汰は
なし
一下谷大水是も大かた浅草の如し浅草程はなし
と風聞也人の損したるはなしと聞く
一赤坂は地水大水也元馬場之辺之屋敷抔へは
床之上二尺余も上りたる由森山佐右衛門宅なと
床之上二尺余上りたりと入戸野氏物語也
一品川大水東海寺内なと入口角野寿軒居
住所水五尺計上りたるよし本堂へも
方丈えも水上り候由定恵院隠居桃林和尚方も
水押上和尚も外へ退き候と右の八大夫物語也
扨品川茶屋町なとも大破に及橋よりさきは
跡の森まて水充満して海のことくの由風聞
なり是は目黒筋之川水と六郷の川ゟ押来
品川の橋より先は家も押流し水に溺れ死たる
者も多しと風聞也
一本所は存の外水すくなし廿五年以前申来
程は中之水不来北本所抔は床の上物語所にゟ