翻刻
五星
一木火土三星は夕(ゆふべ)に西に見|晨(あした)に東に見る時は順行(じゆんぎやう)にして
進(すゝ)む事|早(はや)し朝夕中(あさゆふちう)する時は留(とゞま)る也|夜半(やはん)に中(ちう)する時は退行(たいぎやう)也
一金水二星は晨(あした)に東に顕(あらは)れ東に伏(ふく)す夕(ゆふべ)に西にあらはれ西に
伏(ふく)す此|理(り)は前図(ぜんづ)に出す如く金水二星は大陽(たいやう)を軸(しん)として
巡(めぐ)るゆへ伏する事日の上下にありて両度(りやうど)也上の合伏(がうふく)の後(のち)
初(はじめ)て西に顕(あらは)れ大白(たいはく)は日数凡百五十日を経て太陽(たいやう)を去(さ)る
事凡五十度是より又百五十日|余(よ)を経て大陽(たいやう)に近付(ちかづき)
夕(ゆふべ)に退伏(たいふく)す是より十二三日を経て又|晨(あした)に東にあらはる
日数百五十日を経て大陽(たいやう)を去る事五十度|余(よ)是より
百五十日を経て東に伏(ふく)す如此(かくのごとく)金水二星は大陽(たいやう)をめぐる
ゆへ東に出て東に伏(ふく)し西に出て西に伏するなり上(かみ)の
合伏(がうぶく)前後(ぜんご)は星|高(たか)き天に有て小(ちいさ)く見へ退伏前後(たいふくぜんご)は
低(ひく)き天にあるゆへ星大に見ゆるなり
一|昼(ひる)星のあらはるゝ事あり是|大白(たいはく)星|低(ひく)き天にある時
なり退伏前後(たいふくぜんご)はいつにても白昼(はくちう)に見ゆる此時は星の形(かたち)
八日|頃(ころ)の月の如(ごと)くに見ゆる也
一五星は時によりて大に見へ又|小(ちいさ)く見ゆる事あり按(あん)ずるに
五星のめぐる所の游輪(ゆうりん)はいづれもいびつなりにかゝり
たるものと覚ゆるなり