翻刻
箕(き)宿之前の糠(ぬか)は小星四十八星也
昴(すはる)宿は四十八星なり
閣道(かくどう)と天船(てんせん)の間に少し白き所あり是|微星(びせい)七十余星相集る也
織女(しよくじよ)は三星なれども小星の方は何れも二星ツヽ相並ぶ
房(ばう)宿北之一星は是二星相|重(かさな)る
廿八宿其外何れ之星も天鏡を以て窺(うかゝ)へは古今諸書ニ載(のす)る
図よりは数多有之|悉(こと〴〵)く書|尽(つく)しがたし故に先あらましを
記すものなり猶是に漏(もれ)たるは追而後篇ニ委(くはし)く出す
【図】
虹之説
虹(にじ)は図の如く元|大陽(ひ)の縁(ふち)水気に映(ゑひ)ずる所也然も
直(ぢき)に移(うつ)らず図の如く日の前に雲ありて此雲の透(すき)
間(ま)より日光(につくはう)を射|通(とを)す其時向ふに水気あれば其
水気に日の縁移(ふちうつ)りて則|虹(にじ)となる又二重三重に
立つも雲の透間二ツ三ツあるゆへ也虹の上みに当ル
所は則日輪の下の縁なり此理は日蝕の時戸を以
て節穴(ふしあな)より日陰(ひかげ)を移せは西にかゝりたる蝕東に見
ゆる也又戸の節穴より内へ移る影を見るに
表(おもて)を通る人其外何によらず皆|逆(さかさま)にうつるなり
是みなちきりの理なり此理は右之影ニよらず
惣而(すべて)之事にあれども委く書尽しかたし