翻刻
種(しゆ)なり
湯治(たうぢ)の。後(のち)入湯(にうたう)の日数(ひかず)程(ほと)。
常(つね)の湯(ゆ)をつかふべからず。
幷に灸(きう)すべからずといふ説(せつ)有。
あやまりなり。灸治(きうぢ)すべき
病あらば。湯治(たうぢ)の中(うち)にも。灸
すべし。湯いよ〳〵。相応(さうおう)す。湯
の後。勿論(もちろん)なり。又戻(もど)り道(だう)
中(ちう)。宿(やど)々にて。ふろに入事も。く
るしからず
湯相応(ゆさうおう)すれば。食(しよく)すゝむ
故(ゆへ)。過食(くはしよく)して。更(さら)に病を生(せう)
する人あり。よつて。酒食(しゆしよく)過(すご)
すべからず。幷に生冷(せうれい)の物。《割書:なます|つくりみ》
《割書:くだもの一切筥?|鮨(すし)|冷飯の類》【割書が続くと入力がそのまま閲覧に出てしまいます】いむべし
此地|元来(ぐはんらい)北海(ほくかい)を受(うけ)たる。山谷(さんこく)
にして。常(つね)の気候(きこう)不正上(たゞしからざるうへ)。湯
治にて。汗(あせ)をもらし。毛(け)の穴(あな)。ひら
けば。風寒(ふうかん)に感(かん)じ易(やす)く。或(あるひ)は。
水腫(すいしゆ)|傷寒(しやうかん)の恐(おそれ)あり。能(よく)心(こゝろ)を
用ふべし。勿論(もちろん)帰(かへ)り道中。風雨(ふうう)。
水気(すいき)。夜気(やき)などに。ふるゝ事
有べからず。国(くに)に帰(かへ)りて後(のち)。湯
治の日|数(かず)ほど。右の慎(つゝしみ)ゆるす