翻刻
おりからにいへはたおれておもしとなれば親(を)や子(こ)もろとも
ならくのそこにおちてゆくへはしらはのむすめ花(はな)のさかりを
はしらにうたれかしらくだけてむじやうの風(かぜ)におしやちり行(ゆく)
そのいぢらしさこふりかいどう青物丁(あをものてう)は出火(しゆくわ) 四(よ)ところ水屋が
くずれ水はまん〳〵いへくらながれ万丁(よろづてう)にも出火(しゆくわ)は二か所(しよ) 大工丁(だいくてう)
へともへゆきまするまたは海(うみ)よりつなみを上(あげ)て下(しも)はさかは
のわたしばまでも山(やま)がくずれてひらちのごとくのきをな
らべし御しろ下も今はのはらとなりはてまする北(きた)は
つくゐに甲州口(かうしうくち)よ西(にし)と南(みなみ)は三嶋(みしま)をにけて伊豆(いづ)の濱迄(はままで)
ゆりくづさるゝひがし梅沢(うめさわ)大いそ手前(てまへ)又は大山あつぎ
をかけて六り四ほうの村〻までもひびきわたりてゆり
くづさるゝそらにくろくもつぢかぜまいて山と川とのくづるゝ
をとは天にひゞきて物すざましく今は此世のくづがへるかと
右よ左とにげゆく人はいきた心はすこしもあらず口にねん
佛(ぶつ)大もくとなへたすけ給へとくるしき時(とき)に神(かみ)やほとけをた
のむもあれどなをも地しんはゆりしづまらず既(すで)に其日もく
れはてたればりやうしゆう代くわんしゆつやくありてあま
た人ずにたい松もたせこゝよかしことおてあてあれど人のち