翻刻
序
怪力(くはいりよく)乱神(らんしん)はかたらずといへ共。牛房(ごぼう)の金平(きんひら)に
番椒(とうがらし)を入れて。化物(ばけもの)をひりゝといはせ。小豆(あづき)の
金時(きんとき)には塩(しほ)をつけて天窓(あたま)から。がり〳〵とやら
かす強(つよい)ものゝ親玉(おやだま)。兎角(とかく)團(だん)十郎がお子さま
がたの。御ひいき強(つよ)いと。りきみかへつ高。
申
蒼陽 十編舎一九しるす【十返舎一九】
現代語訳
序
「怪力乱神を語らず」と言うけれども、牛蒡の金平に唐辛子を入れて、化物をひりひりと言わせ、小豆の金時には塩をつけて頭からがりがりとやっつける強いものの親分。とにかく団十郎のお子様方の御贔屓が強いと、力んでかえって調子に乗る。
申年
蒼陽 十返舎一九記す