翻刻
蚕影山略縁起
天地開闢《場所:筑波山》の麓(ふもと)神郡 《場所:豊浦湊(とよらのみなと)》蚕影(こかげ)山大
権現は神代(かみよ)の祭(さい)神三座にして。中殿は稚産霊命(わくむすびのみこと)。左(さ)
右(ゆう)は埴(はに)山 姫命(ひめのみこと)。木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)の三神 垂跡(あとをたれ)坐(ましま)して。本
朝 贄(にへ)桑(くわ)眉(まゆ)の藍(らん)觴(じやう)也。往昔(そのかみ)人皇十代 崇神(しゆじん)天皇の
御宇我朝に渡らせ給也。其後此里に於て蚕養(こがい)の原(げん)
始(し)を尋(たつぬ)るに。人王三十代 欽明(きんめい)天皇の御時。北 天竺(てんぢくに)旧仲(きうちう)
国(こく)といふあり帝(みかど)を霖夷(りんい)大王と申し。御 后(きさき)を光 契(けい)夫人(ぶにん)と申