翻刻
【右丁】
参河内侍
苗代のみつはかりをや山かつのはるは心にまかせ た(さイ(朱))るらむ
藤原季経朝臣
しつのをかかへしもやらぬを山田にさのみはいかゝたねを う(かイ(朱))すへき
菫 菜(又イナシ)をよめるイ【朱】
苗菜 皇后宮大夫俊成
新続古【朱】
ね《割書:イ|新続古同》【朱】
むらさきの《見せ消ち:め|》はふよこのゝ つほすみれま袖につまむ色もむつまし
大納言季成卿女
野へにおふるうすむらさきのつほすみれ誰なつかしき色に染けん
荒砌 菜(菫イ(朱))といふ心をよめる 参議通親
よもきふの庭のけしきはさひしきに心すみれの花のみそさく
堀川院百首に呼子鳥を
よめる 源俊頼朝臣
あつまちのなこその関のよふことりなにしつくへきわかみなるらん
【左丁】
此所イ本也【朱】
よふ子とりをよみ侍ける 賀茂重保
山ひこをなれかともとやおもふらんこ《見せ消ち:と|た》ふれはまたよふことり哉
藤原親佐
おほつかなたれをかくのみよふことり人かすならはこたへしてまし
歎冬をよめる 平経正朝臣
たつた河きしの山吹さきぬれはかけより波そおりはしめける
つゝしをよめる 頼円法師
なにことをしのふの岡のいはつゝしいはておもひの色に出なん
水のほとりのつゝしといふことを
よめる 賀茂重保
岩つゝしうつれるかけは大井川もみちをよせしなみかとそみる
藤為松衣といへる心を
よめる(イニナシ(朱)) 顕昭法師
色にいつるふちのゆかりにむらさきのねすりの衣まつもきてけり