賀茂社関係文書翻刻プロジェクト

コレクション: 賀茂社関係文書(NDL所蔵)

月詣和歌集 - 翻刻

月詣和歌集 - ページ 36

ページ: 36

翻刻

【右側】                  平経正朝臣 軒ちかきはなたち花に吹風は枝にふれてそ香はさそひける   花たちはな遠くにほふといふことをよめる                  惟宗広言 たか里のはなたちはなをさそひきて我物かほに風かほるらん   かやり火をよめる       小侍従 夏くれはむろのやしまのさと人も猶かやり火やおもひたつらん                  参議経盛  もしほやくけふりとのみもみゆる哉あまのとまやに立るかやり火   右大臣家百首に五月雨を 《見せ消ち:形|刑》部卿頼輔 もしほやくおもひ《振り仮名:や|をイ【朱】》あまのたえぬらんいつはるへしと見えぬ五月雨                  藤原季経朝臣 【左側】 苗代にたえ〳〵ひきしわすれ水あせこえにけり五月雨のころ                  藤原隆信朝臣 さみたれはしか《振り仮名:か|のイ【朱】》まのあまのとまもりてこやしほたるゝすかた成らん   五月雨を           大納言実国 家集【朱】 五月雨《振り仮名:に|は家集【朱】》しつのしのやの《振り仮名:《振り仮名:たかす|竹簀【左朱】》かき|しのすゝき家集【朱】》《振り仮名:ふし|伏節兼【左朱】》所まて水はきにけり                  左衛門督実家 玉葉【朱】 五月雨《振り仮名:の|はイ玉同【朱】》いさゝをかはを《振り仮名:ひき《振り仮名:か|わイ【朱】》けて|たよりにて玉【朱】》外面のをたを《振り仮名:水|うみイ【朱】みを玉【朱】》となし《振り仮名:つ|ぬ玉【朱】》る                  平資盛朝臣 五月雨のはれま待えてしつの《振り仮名:め|をイ【朱】》か門田のさなへ今や《振り仮名:とる|うゝイ【朱】》らむ   海辺《見せ消ち:の》五月雨といふことを   大江公景              よめる 五月雨にあまのとまやもくちはてゝかつきせぬ《振り仮名:ま|にイ【朱】》も袖やか《振り仮名:は|わイ【朱】》かぬ   五月雨遠行といふことを    源宗光女             よめる 【欄外上部】 新古今冬 康資王母 東路の道の冬草 しけりあひて跡たに みえぬわすれ水哉 八雲云わすれ水はちと ある水也下文六月 巻にも見えたり 後鳥羽院御集 ふしわふる賤のまろやの 竹すかき夜すから秋の 衣うつなり 巻六(マゝ) 巻(マゝ)にも見えたり【註】 【以下朱】 イニアリ    兵衛 続詞花 さみたれの《振り仮名:をやま|はれせ続詞花》ぬ        ころそ かつまたの池もむかしの けしきなりける  続詞花詞書  新院の人々に百首 歌めしけるにトアリ 【註】「和歌データベース」によれば、この歌は「後鳥羽院御集詠五百首和歌秋」にあり、国書データベースの該当頭註にある武蔵の歌は同集に見えない。