賀茂社関係文書翻刻プロジェクト

コレクション: 賀茂社関係文書(NDL所蔵)

月詣和歌集 - 翻刻

月詣和歌集 - ページ 38

ページ: 38

翻刻

【右側】 千【朱】 ともしするほくしを《振り仮名:まつ|つま千【朱】》とおもへはやあひみて鹿のみを《振り仮名:はかふ|こかすイ【朱】》らむ   夏夜暁月といふことを     道円法師 月は猶山のは遠くのこれともほとなくあくるよこそをしけれ   夏月をよめる         覚綱法師 夏草の露にやとれる月かけ《振り仮名:は|にイ【朱】》あたにむすへるつらゝ也けり                  寛玄法師 久方の月もこよひやすゝむらんいはもるみつにかけやとしけり                  加茂資保 月《振り仮名:ま|もイ【朱】こイ【朱】》よひ秋にかはら《見せ消ち:は|す》おなしくはほとなくあけぬ山のはもかな   山中夏月といへることを    藤原親佐            よめる 夏山のな《見せ消ち:し|らイ【朱】》の青葉をふく風にかけさたまらぬ夕つくよかな   水上夏月といふことをよめる  加茂重保 【左側】 風【朱】 夏のよは岩かき清水月さ《見せ消ち:へ|え》てむすへはとくる氷なりけり                  左衛門督実家 なつのよはやとれる月のけしきにておなし清水もすゝしかりけり   山中蛍火といふことをよめる  覚延法師 こよひこそをくらの山もなかりけれこの下やみに蛍みたれて   蛍火照舟といふことをよめる  加茂重仲 とまやかたてらす蛍はひこほしのつまむかへ舟こくかとそみる   蒲草化為蛍といふことを    荒木田成実            《見せ消ち:よめる》 さみたれにをかやの軒のくちぬれはかやて【註】蛍そ宿にとひかふ   湖上蛍火といふことをよめる  藤原範季朝臣 夏むしのかけみたるめりさゝ波やしかのからさき風や吹らん  恋中 【欄外上部】 浜臣云朗詠に刑鞭蒲朽蛍 空去とは作られたれとも月令に 腐草化為蛍とあれは蒲は 腐の誤なるへし 堀川百首蛍 匡房 五月雨に草の庵は くつれとも蛍となるそ うれしかりける 【註】国書データベースには「やかて」とある