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【右側】
わすられてもとこしこまもかよはぬを心まとはすくつは虫かな
八月はかりに心かはりたる人のもとへ申つかはしけるに
人にかはりてよめる 法眼定快
こひ草のしけみかなかのくすのはのこの秋よりそうらみ初けん
久しくおとせさりける人のもとへいひつかはしける
皇太后宮御匣
わすらるゝみにはこゝろのかはれかしかゝるなけきもよそになきやと
あり所《振り仮名:を|イナシ【朱】》わするゝ恋《振り仮名:を|といふことをよめるイ【朱】》紀康宗
《振り仮名:きゝ《振り仮名:た|なイおイ【朱】》しや|きかましや歟【左朱】》ゝとをたとりてなく涙わすれ水とや流ゆくらん
在所さたまらぬ恋といふことを 中納言雅頼
《振り仮名:よめる|イナシ【朱】》
千【朱】
あふことのありし所しかはらねはこゝろをたにもやらまし物を
《振り仮名:互恨|たかひにうらむるイ【朱】》恋といふことをよめる 藤原家隆
【欄外上部】
わすれ水上に出
【左側】
君と我おなしこゝろになることのうれしからぬはうらみ也けり
賀茂重保か家にて男は右女は左にて歌合し侍り
けるにうたかひをなす恋といふことをよめる
皇太后宮御匣
いつかたへしたにかよひて水そこにかけ見えなからたえんとすらん
寄残菊恋といへる心をよめる 大輔
《見せ消ち:うつら|うら》やましうつろひ残る花きくをみせはや人にかひはなけれと