翻刻
【左側】
月詣和歌集巻第七
七月付雑上
立秋のこゝろをよめる 俊恵法し
花ゆへにいとひしかせのあはれにもけふあきゝぬとつけて過ぬる
藤原為業 寂然法師千【朱】
千【朱】
秋は来ぬとし《振り仮名:は|も千【朱】》半に《振り仮名:なり|すき千【朱】》ぬとや荻ふく風のおとろかすらむ
平忠度朝臣
秋来ぬとしらて聞とも大かたはあやしかるへき風の音かな
題しらす 八条院六条
くすの葉のうらめつらしく吹風や秋立けふのしるし成へき
七夕をよめる 刑部卿頼輔
天河わたるこよひや七夕の中〳〵袖をぬらさゝ《見せ消ち:らな|るら》む