翻刻
【右】
勧発品《見せ消ち:備|満【朱】》三七日のこゝろをよめる
中原有安《割書:内蔵助頼盛子|筑前守五位》【朱】
千載【朱】
まちいてゝいかにうれし《振り仮名:と|く 千【朱】》 思ふらむはつかあまりのやまのはの月
普賢経心をよめる 大輔 《割書:宝物【朱】|》前斎宮大輔【朱】
宝物五【朱】
心よりむすひおきけるしもなれはおもひとく日そ(は 宝物)のこらさりける
心懐恋慕のこゝろをよめる
《割書:本ノ【朱】|》
おもひねのゆめにもなとかみえさらんありて入にし山のはの月
炎経の心をよめる 法橋性憲
かくれぬとなけきし月をたつぬれは心のうちにすむにそありける
賀茂重保かうたの草案の反故色帋の五部大乗
経しゆし【修し】の導師にて炎経の心をよめる
【欄外上部】
炎は涅槃の二合字なり
新後拾遺釈教成尋法師母
山のはに出入つきもめくりては
こゝろの内にすむとこそきけ
【左】
前大僧都澄憲
有明の月のかくれしはやしこそなかきなけきのもとゝなりけれ
舎利の心をよめる 天台座主明雲
常ならぬためしはよはの煙にてきえぬなこりをみるそうれしき
心蓮華のこゝろをよめる
実仙法師
いさきよくこゝろのしみつすみぬれは蓮はよその花とやはみる
月輪観をよめる 権僧正道勝
うつもるゝこゝろのうきにすむ月のかけさやかなる我みともかな
賀茂重保
山のはにいるとをしみし月かけは心のみつにすみけるものを
【欄外上部】
山のはに出入月も
めくりては心のうちに
すむとこそきけ