翻刻
《箱:野中の湯》
《箱:十五歳京水筆》
此地を過(よぎ)りし時 渇(かつ)にのぞみ太刀をもつて
山をうがちたるより此泉を湧(わき)いたせし
といふ小泉なれどもいかほどの炎赫(ひでり)にも
乾(かはく)事なき名水也
○神社(じんじや)
▲ 湯前(ゆぜん)権現(ごんげん)上町より一町余西に在
祀(まつ)る所 少彦名命(すくなひこなのみこと)鳥居の傍(かたはら)に碑(ひ)
あり明和七年社人の建所(たつるところ)也文は信(しん)
陽(やう)源通(けんつう)魏書(ぎしよ)は東江平源 鱗(りん)にて
千百余字つらね湯泉(とうせん)の起立(はじめ)をしるして
天平(てんびやう)勝宝(せうほう)元年己丑正月 少名彦(すくなひこ)
《箱:清左エ門湯の源》 【源にルビ「もと」】
《箱:十五歳京水筆》
神(しん)憑童(よつてとう)曰(いはく)といふ文あり又 慶長(けいてう)中(ちう)
■祖のこゝに浴(よく)し給ひし事寛永十六年
猷廟(けんびやう)亦(また)将(まさ)に浴(よく)し給はんとて命(めいじ)て行殿(こうでん)
を構(かまへ)給ふ遺跡(ゐせき)及(および)調馬(てうば)場(じう)尚(なほ)存(そんす)の文
あり石 燈篭(とうろう)両基(ふたつ)宝暦八年夏久留
米の太守こゝに浴(よく)し給ひし時の御 寄附(きふ)
なる事 彫(ほり)つけあり石鳥居安永九年の秋
太守 再(ふたゝ)び浴(よく)し給ひし時の御寄附なり
毎年九月十日に祭礼(さいれい)ありその神霊(しんれい)ある
ことは里人の口碑(かうひ)にゆづりてこゝにもらせり
▲今宮明神 和田村にあり祀(まつ)る所を