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コレクション: STAGE1

熱海温泉圖彙 - 翻刻

熱海温泉圖彙 - ページ 20

ページ: 20

翻刻

平左衛門湯 源(もと) 《箱:十五歳 京水筆》 聞もらせり▲天神の社本町より西の方 四町余にありむかしは海辺(うみべ)に社(やしろ)ありしに 一とせ逆浪(なみあれ)ありて社を流したるに尊体(そんたい) 木作(もくさく)なれども磯(いそ)にとゞまりてながれさりしゆゑ 社を今の地に移(うつせ)しとぞそのゝち東都の 人此地に逗留のうち此神を信じて感(かん) 応(わう)を得たる事ありて財(ざい)をいだして社(やしろ)を 補(おぎな)ひけるに歳(とし)を歴(へ)て神祇(しんぎ)の博士(はかせ)こゝ に来りゆゑありて尊体(そんたい)を拝(はい)して大に驚(おどろき) 我聞(われきく)むかし菅公(くわんこう)筑紫(つたし)に謫居(てききよ)まし〳〵 たる時手づから真像(しんぞう)七 躯(く)を彫刻(てうこく)ありて 《箱:水の湯》 《箱:ゆをひく所》 此ゆは しほけ あり 物を むす所 《箱:十五歳京水筆》 海に流(なが)し給ふ六 躯(く)は流れ停(とゞま)る所 ありて其 真体(しんぞう)を祀(まつ)る所(ところ)の宮今に 在(あ)り其一 躯(く)はいづれの地に漂流(ひやうりう)せし やさだかならざりしに此 尊像(そんぞう)こそ七 躯(く)の 一ツにして菅公(くわんこう)の神作なれと物語りけ れば社人大に驚(おどろき)かゝる伝(つた)へは聞もおよば ざれば何人(なにびと)の作にやとおもひしにさては 菅公(くわんこう)の神作にやおもふに此 社(やしろ)むかしは海 のほとりにありしをおもへば此 海辺(うみべ)にながれ とゞまりしをひろいとりてその所に祀(まつ)り しならんと是より里人も信をまして