翻刻
本堂の壁(かべ)に詩(し)を題(だい)して住職(ぢうしよく)を雲居国師に譲(ゆず)り裏門よりいで行方(ゆきがた)しれずなりしとぞ此僧もまた凡(ぼん)ならづ後(のち)に温泉寺の蔵本雲居国師年請を見るに此事を記して詳(つまびらか)なり▲湯河原地蔵 温泉寺のかたはらにあり▲和田地蔵 和田村にあり雲慶(うんけい)の作といふ▲土沢(とざは)地蔵 上町の西廿一丁▲日金(ひがね)地蔵 銅仏(どうぶつ)也 あたみの西へのぼる事五十丁ばかり霊験(れいげん)あらたなる事あまたきゝたれども事長ければ略(りやく)す▲峠(とうげ)の地蔵 縁起を聞たれど事長ければ略(りやく)す 日金山の峯(みね)つゞきにあり此|堂(どう)より西南の滄海を眺望景色絶(みはらずけいしよくぜつ)妙熱海|近嶺(きんれい)の勝地(せうち)なり●此余(このよ)あたみ近隣(きんりん)の旧跡(きうせき)聞もらしたるも多かるべし好事(こうず)|家(か)の補(ほ)|訂(てい)をまつ 〇産物(さんぶつ) みやげもの▲挽物(ひきもの)細工(さいく) 烟草入(たばこいれ)茶だい 膳碗(ぜんわん)のるい箱小 鉢(ばち)のるい茶器(ちやき)夏目(なつめ)香合(かうあい)
のるい▲ぬりもの細工 重箱すゞりぶた吸(すい)ものわん盃だい盆(ぼん)のるい●右いづれも旅(りよ)客(かく)逗留(とうりう)のうち好(このみ)に応(おう)じて作るもとより出来(できあい)品々あり▲雁皮紙(かんびし)今井半太夫|家(か)|製(せい)栗山先生の創意(そうい)にて造(つくり)り【原文ママ】はじむ依(よつ)て雅(が)品(ひん)多し▲木の葉|形(がた)塩(しお)温石(おんじやく)あたみの湯の気(き)にて自然(しぜん)にできる物也 依(よつ)て方|病(びやう)によし▲大湯の樽(たる)詰(づめ) 温泉(おんせん)に三十日ほどひたし□□【汚れのため解読困難】樽をたくわへおきてこれに大湯のくみたてをつ?る一樽の代銀船ちんとも銀五匁にて江戸日本橋にいたる▲魚(ぎよ)類の乾(ひ)物船の通(かよ)ひ自在(しさい)なれば暑中にも江戸にいたる▲青木の箸(はし)▲あたみの絵図(ゑず) 〇遊楽(ゆうらく) 旅客逗留中のたのしみをしるす▲碁(ご)盤(ばん)象(せう)棋(ぎ)盤(ばん) 常に客(きやく)やにあり▲琴三味せん鼓(つゞみ)大鼓(たいこ)▲茶のゆ道具もとめに応(わう)じてこれを借(か)す▲借(かし)本▲楊弓(やうきう)みせ《箱:春》山〳〵の花見▲蕨(わらび)とり▲青踏(つみくさ)▲汐干狩(しほひがり)《箱:夏》▲蛍狩(ほたるがり)▲濵辺(はまべ)の納凉(すゞみ)▲磯(いそ)遊(あそ)び《箱:秋》鮎(あゆ)つり《割書:糸川|初川》和田川