chinjuhさんのお気に入り

コレクション: とりあえず気になる

一休はなし(寛文八) - 翻刻

一休はなし(寛文八) - ページ 86

ページ: 86

翻刻

【OCRのままです】 是はとのたまへは彼僧はらをすへかね。さてもおどけ たる御僧やいかに耳なれ目なれし物とてそれは あまりに候と申せば一体もわらひ給ひて実尤なり いで〳〵其望の目なれ耳なれしことを書てまいら せむとて きねがすゞ海山木とり谷のこゑ 宮あひのかねに庭前のはな とあそはしければ彼僧さてもよき御かる口やまことに みなれ聞なれし物を望みけるこそ愚なれとて御口 のかるきを感じておくゆかしくこそ侍りけれとて。色 右筆紙巻こその色しておくりたてまつりけると也 【一休 旦 那の女房に懸想し給ふ事】 『六』一休和尚さしも春の字の事なるに花に心をよせ 給ひていく枝もあつめ花籠に立まじへて酒などまい り心もわる〳〵となりておはしまじける所へ。一体の旦那 の奥方まいりけるよくこそ来り給ふとて。さゝなどすゝ めおかしきことなど御はなしありてひたもの酒のみて あそびければ日もはや西山にをちこ地のたつきも志 らぬ御寺に。彼女房もへんとはなし居ける。一休めぬ ほし召けむ。今宵は御とまりあれと仰られける。農 申けるは。かりそめにまいり。長あそび仕候さべなにとや らん似合ぬやうに侍に一夜とまり申さばうき名や 立申べし。其上夫ある身の事にくば。いかに心はざ思ひ