翻刻!石本コレクション

コレクション: ステージ1

[鯰を押える恵比寿] - 翻刻

[鯰を押える恵比寿] - ページ 1

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どうもふだんからぬらりくなりとしてみたくても ねへやつだとおもつたがこんなことをするやつとは おもわなんだいま八百万(やをよろづ)の神/\はみな いづもへたゝれてわれひとり留守居(るすゐ)を すれどわがいちぶんでころすもならず ともかくもいけどりにしていづも おもてへさしのぼせとがのほとを さたむべし(瓢箪の絵) (瓢箪の絵) どつこい にけるな大 なまづたいとは ちがつてとりにくひ なんぼ神でも五人 の身で大地のそこ にわだかまるこいつを だいていづもまてゆくには ゆかれすかつぐもならず なまづなまなかとらへた うへはにがしてるすいがすみは せぬアヽいゝところへきたうなぎや はやくこいつをつかまへていづものやしろへ やつてくれ うなきや乁どうして/\ このやうなおほきななまづを 神の手や人手でもつては まいられぬ 乁ハテそれはこまつた ものだアヽいゝことを かんがへた人手では やれぬなら「どうして やりましやう 乁はやくむにに してやるがいゝわ

現代語訳

どうも普段からぬらりくらりとして見たくても見えないやつだと思ったが、こんなことをするやつとは思わなかった。今、八百万の神々はみな出雲へ立たれて、われひとり留守居をするけれど、わが一分(力)だけでは殺すこともできず、ともかくも生け捕りにして出雲表へ差し上せ、罪のほどを裁決すべし。 (瓢箪の絵) どっこい、逃げるな大なまず。鯛とは違って捕りにくい。なんぼ神でも一人の身で、大地の底にわだかまるこいつを抱いて出雲まで行くには行かれず、担ぐこともできず。なまず、生半可に捕らえた上は逃がして留守居がすみはしない。ああ、いいところへきた鰻や、早くこいつを掴まえて出雲の社へやってくれ。 鰻や「どうして、どうして、このような大きななまずを神の手や人手では持っては参られぬ」 「はて、それは困ったものだ。ああ、いいことを考えた。人手ではやれぬなら」「どうしてやりましょう」 「早く無にしてやるがいい」

英語訳

"I always thought this fellow was elusive and hard to see clearly, but I never thought he would do such a thing. Now all the eight million gods have departed for Izumo, and I alone am keeping watch. But with my strength alone, I cannot kill him, so I must somehow capture him alive and send him to Izumo to have his crimes judged." (Image of a gourd) "Wait there! Don't run away, great catfish! Unlike a sea bream, you're hard to catch. Even though I'm a god, I'm just one person - I can't carry this fellow who lurks at the bottom of the earth all the way to Izumo, nor can I shoulder him. Catfish, now that I've caught you halfway, I cannot let you escape and neglect my duty as guardian. Ah, what good timing - eel! Quickly grab this fellow and take him to the shrine at Izumo!" Eel: "How, how can I? Such a large catfish cannot be carried by divine hands or human hands!" "Well, that's troublesome. Ah, I have a good idea. If it cannot be done by human hands..." "Then how shall we do it?" "It's best to quickly reduce him to nothing."