翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

紺屋百物語 : 3巻 - 翻刻

紺屋百物語 : 3巻 - ページ 22

ページ: 22

翻刻

おゝくのひとを ばかせしかひとつ  としてかいに【害に】   ならすそのうへ    かねなどもうけ ければいきかたな  みやをたて   しんきくわんも【?】 とをつた人にて 九郎介のきつねを はしめおふ正しい いなり大つうじんに にんじられめだ たきはるのはつ むま【初午、稲荷の縁日】をむかへしこと  めで    たし〳〵

現代語訳

多くの人を騙したけれども、一つとして害にならず、その上金なども儲けたので、生き方として宮を建て、信心深い人となった。九郎介の狐をはじめ、正しい稲荷大通神に認められ、めでたい春の初午を迎えたことは、めでたいことである。

英語訳

Although [the fox] had deceived many people, it caused no harm whatsoever, and moreover, having earned money and such, it built a shrine as a way of life and became a devout person. Beginning with Kurōsuke's fox, it was recognized by the righteous Inari Daitsūjin (Great Inari Deity), and welcoming the auspicious first Horse Day of spring was truly a joyous occasion.