翻刻
つづきしや本をかいつかんてひつこまんとすこはおもしろしと
ふでのさやをもゆてはつしときればにはのとびいしのもと
にてきへうせぬ石となつたは九太夫のばけものかきつね
たぬきのわさにしてはさしたるしゆかうにも
ならぬとつぶやけばしをり戸のそとにこゑありて
われ〳〵は百鬼(ひやつき)夜行(やぎやう)のばけものなりこよひとしこしの
おにうちまめにおいはらはれやくはらいにつかまれん
ことのこわさににけまどい候かさすがは
おさくしやとしこしにもかまはず
ばけものにおもいれの御やうすゆゑ
おかきものをうばひとつてはいけん
いたしたがからのばけものとの
御しゆかうからの
ばけものはどんな
ものでござり
ますといふに▲
▲しやらくさいうちわらひ
山海経爾雅(せんがいきやうじが)にそのかたちを
きわむる事あたはす博物志(はくぶつし)
畷耕録(てつかうろく)太平広記(たいへいくわうき)本草綱目(ほんざうかうもく)
なともせんさくして見るが
さてあたらしいばけものもない
なんぢらなんぞあたらしい
ばけやうはないか蘇子瞻(そしせん)が
鬼話(ばけものばなし)をこのみしにはあら
ねどこよひのとぎとす
べしといへばわれ〳〵も
あか本のはしをも見
ましたれどみこし
にうとうや一つ目
こそう
などの
▼▲
▼▲
やぼなばけものばかりて
手本にもなりませぬちと
しんぱんのばけものもこさります
ればまかり出ませうがおとこのまの
おかけものをおそれますればはつ
してくだされましといふこれは
しやうきのかけものにて〽今こゝに
団十郎やおには外といふキ角のくわ
さんなりしやらくさいはのぞみのとふり
かけものをはづしいわしひいらぎも
さゝずうきよをかべとみたさくしやの
いほりの内おつかながらずはいれ〳〵
ばけものゝせううつしいけとりにしてくれんとふでもちかまへてゐれば
よろふたるむしや一つきむないたに∴一のもんをつけ金さつをたづさへ
あらはれ出たりしやらくさいさてはつなかへんげになさゝゑにしても
よろいむしやとはこふうなばけものめといへばせんせいもしちよつと◑
◑おはな
しがござり
やすよいの
くちやくは
らひにばけ
て
くる
わへ
は
いり
は
らひ
鬼箱(おにはこ)を
かひませうと
らせうもん
がしをよんで
とふりますと
かうしの内から
ぬつと手を出して
むなぐらをつかまへ
はらひもんたかつて
くんなといふつらを
見れはねんあきめへ
いくつになるときけば
おにも十八さといふから
すはらしい大江山へはらつ
てもせんたくはゝァにほか
ならねへとんたはけものたと
つきはなしてにけようとして
うてを見たらあだに
ほりものが つきへつゞく