翻刻
【右頁】
こゝに洒落斎(しやらくさい)といふ
戯作者(けさくしや)ありけり
一ばん合巻(がうくわん)の
もんきりかたを
のがれていつかう
【左頁上段】
こわくないばけものといふが
しゆかうにうかみつくゑに
もたれてかんがへながら
ねむりしがはりうちまげに
花かんざしごたいそうにさして
つむりのおもさうなるかむろおかもち
さゝげてゆくていを見たりこれはむかしの
あか本にあるしよぼ〳〵あめのふるよに
ばつてうかさきてとうふかひに出るこぞうに
にたりてめへとうふをなん丁かつてきたといへば
アイサ半丁かつてまいりイしたよサアその半丁に
なつてトヾめでたし〳〵といふ所になんぞめでたい
ばけものをださねばならぬか此あんじにこまるて
ヲヤめでたいばけものとはしんばんておざりいす
本になつたらおくんなんしにへ手本にいたし
ますよといふ手めへもばけならうのか
こんどのばけものはひねつたものよ
からのばけものを見せるきた
ヲヤからのばけものなら
ちんぷんかんでわつちらには
わかりいすまい〽おれも
さくしやはするがからの
ばけものはどんなものか
しらん〽そんなちんふんかんの
ばけものよりやつぱりやわらかに
とうふのゆうれいてもおかき
なんしといふかとおもへはゆめ
さめてかつ手にとうふやの
おかもちばかりのこれり
これはとうふのゆうれい▲
【左頁下段】
▲からのばけ
ものといふべしと
□□□はちこの
さうしのげだいにし
ゆめになつては
さくしやの
手がらうすく
はじめから
ゆめがさめたは
あたらしいが
とゝのつまりが
やりにくしと
あんじ
いつて
すぢがき
して
ゐる
ところに
こつぜんと
してゑん
の下より
すまふの
ごとき大き
なるうで
さしいだし
つぎへつゞく