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コレクション: STAGE8

大地震大(津浪)末代噺(の)種 三編全 - 翻刻

大地震大(津浪)末代噺(の)種 三編全 - ページ 16

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大地震末代噺種  【上段】 宝永(ほうえい)四年《割書:嘉永七寅年迄|百四十八年に成》十月 四日 大地(おほぢ)しんの節(せつ)長堀(ながほり)なる 寺子屋(てらこや)の師匠(ししやう)山口源兵衛と いふ人先(ま)づ二階(にかい)の弟子(でし)を呼(よび) 下(おろ)さんとする所に棟木(むなぎ)忽(たちま)ち 崩(くだ)け落(をち)弟子等(でしら)争(いかで)か溜(たま)るへき 四十四人□《ルビ:□□|こども》□□枕(まくら)に死(し)□ 師匠(ししやう)は漸(やうや)く戸口(とぐち)に出(いで)て助(たすか)り しが熟(つくづ)くおもひ廻(めぐ)らせは童(こ) 子(ども)は我(われ)に懐(なつき)て通(かよ)ひ来(きた)りその 親々(おや〳〵)は我(われ)に委(ゆだ)ねしものを救(すく)ひ 助(たす)くる事を得(え)ず我(われ)壱人 助(たすか)りて 何面目(なにめんぼく)に人々に貌(かほ)を合(あわ)さん とて書置(かきをき)し腹十文字(はらしうもんじ)に掻切(かきゝつ)て 自滅(じめつ)す遉(さすが)武士(ものゝふ)の流(ながれ)れ成(なり)と  【下段】 褒(ほめ)ぬ者(もの)こそ なかりけり ○同 大地(おほぢ)しんに 堂嶋(どうじま)裏(うら)町の 風呂屋(ふろや)へ来(き) 合(あは)せし者(もの) 四人一 所(しよ)に湯(ゆ)に入しが地しん 起(をこ)れとも風呂(ふろ)の中故(なかゆへ)暫(しば)しは 知(し)らざりしに追(をい)〳〵 烈(はげ)しく なりし故(ゆへ)四人 急(きう)に戸(と)を明(あけ)ん とする所(ところ)に風呂(ふろ)の上(うへ)へ家倒(いへたふ)れ かゝりしかば戸(と)を明(あけ)るを叶(かな)はず途(と) 方(はう)にくれしが此風呂(このふろ)炭火(すみび)にて沸(わか) せし故(ゆへ)追々(をい〳〵)火煽(ひをこ)り湯玉飛(ゆだまとん)で 沸(にへ)かへり四人は空(むなし)く相果(あいはて)たり