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コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 5 江戸名所図会

江戸名所図会 20巻 巻之8 - 翻刻

江戸名所図会 20巻 巻之8 - ページ 45

ページ: 45

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【右丁】  愁(うれ)ふ日禮(にちらい)妙経(めうきやう)秘咒(ひしゆ)の奇特(きとく)をあらはし一子(いつし)を出生(しゆつしやう)せしむ故(ゆゑ)に  此人(このひと)し宗教(しうけう)を尊(たふと)み日禮(にちらい)に帰依(きえ)し更(さら)に精舎(しやうしや)を創立(さうりふ)し日禮(にちれい)を  開山祖(かいさんそ)とし弟子(てし)の礼(れい)を■(まうく)#1《割書:青山氏(あをやまうち)後(のち)日林(にちりん)と号(かう)す|當寺(たうし)の第(たい)二世たり》  本尊(ほんそん)釋迦如来(しやかによらい)額(かく)は如松(によしよう)の二字(ふし)にして廣澤(くわうたく)の筆(ふて)なり石水(いしのすゐ)  盤(はん)は喜多見家(きたみけ)寄附(きふ)する所(ところ)なり又 浅野(あさの)内匠頭(たくみのかみ)長矩(なかのり)の寄附(きふ)の  三方(さんさう)あり《割書:黒漆(こくしつ)を以(もつ)て塗(ぬり)松(まつ)に隺(つる)の描畫(まきゑ)あり此器(このうつわ)は馬牽澤(うまひきさは)大教寺(たいけうし)にあり|こと〳〵く彼室(かのしつ)の寄附(きふ)なりしか後(のち)所々(ところ〳〵)に分散(ふんさん)せりといふ》 常盤橋(ときははし) 二子(ふたこ)街道(かいたう)中馬牽澤村(なかうまひきさはむら)世田(せた)ケ(か)谷(や)入口(いりくち)三軒(さんけん)茶屋(ちやや)の往還(わうくわん)  角(かと)の所より向(むかふ)へ三丁 斗(はかり)入(いり)て小溝(こみそ)に渡(わた)す石橋(いしはし)をしか名(な)つく  ありて此所(このところ)に害(かい)せらる然(しかる)に其(その)霊(れい)里人(りしん)に祟(たゝり)す依(よつて)其(その)霊(れい)を弁天(へんてん)に  崇(あか)め其腹(そのはら)に出生(しゆつしやう)の男子(なんし)を若宮八幡(わかみやはちまん)と崇(あかめ)奉(たてまつ)るといふ何(いつ)れも  上馬牽澤村(かみうまひきさわむら)にあり此(この)常盤(ときは)といへる女(をんな)は大平(おほひら)出羽守(てはのかみ)か女(むすめ)なる  よし 世田(せた)ケ(か)谷(や)私記(しき)にみえたり 【左丁】    《割書:按(あんする)に此(この)はしより二十 歩(ほ)はかり東(ひがし)の方(かた)道(みち)より片側(きたかは)に松(まつ)を植(うゑ)たる塚(つか)あり|是(これ)を常盤(ときは)の墓(はか)と云 上(うへ)に不動(ふとう)の石像(せきさう)あり又同し南(みなみ)の方(かた)にも塚(つか)あり》    《割書:是(これ)なりといへりといつれか実(しつ)ならん|》 大渓山(たいけいさん)豪德禪寺(こうとくぜんし) 常盤橋(ときははし)より五丁 斗(はかり)西(にし)の方(かた)にあり曹洞派(そうとうは)の禅(せん)  刹(せつ)にして江戸(えと)高輪(たかなわ)の泉岳寺(せんかくし)に属(そく)す當寺(たうし)は文明(ふんめい)年間(ねんかん)吉良家(きらけ)  創建(さうこん)の精舎(しやうしや)にして旧(いにしへ)は弘德庵(こうとくあん)と号(かうす)其頃(そのころ)は済家(さいけ)にして馬堂(はたう)昌誉(しやうよ)  禪師(せんし)開山祖(かいさんそ)たり《割書:其後(そのゝち)門庵(もんあん)宗関(しうくわん)禪師(せんし)|今(いま)の如(こと)く曹洞派(そうとうは)にあらたむ》中興(ちやうこう)の開基(かいき)は井伊(ゐい)掃部頭(かもんのかみ)  直孝侯(なほたかこう)同 中興(ちやうこう)開山(かいさん)は天極(てんきよく)秀道(しうたう)和尚(おしやう)なり  佛殿(ふつてん) 本尊(ほんそん)釋迦(しやか)弥勒(みろく)弥陀(みた)等(とう)の三世佛(さんせふつ)の木像(もくさう)を安置(あんち)す  額(かく)《割書:佛殿(ふつてん)の|二重(にちやう)屋根(やね)》  《割書:の軒(のき)に掲(かく)る月(けつ)|舟(しう)の筆(ふて)なり》      選 選佛塲(せんふつちやう)《割書:佛殿(ふつてん)の右(みき)|に並(なら)ふ當(とう)》      佛 《割書:寺(し)十 勝(しよう)の一なり額(かく)は二重(にちやう)|屋根(やね)の軒(のき)に掲(かゝ)く當寺(たうし)》      塲 《割書:十五世 靈潭(れいたん)の筆(ふて)なり|》          弎 石灯篭(いしとうらう)《割書:佛殿(ふつてん)の前(まへ)左右(さいふ)に立(たて)たり|延宝(えむはう)五年 井伊家(いいけ)》          世 《割書:掃雲院殿(さううんゐんてん)の寄附(きふ)なり|》          佛  臥龍櫻(くわりようのさくら) 《割書:佛殿(ふつてん)の前(まへ)右(みき)の方(かた)にあり當寺(たうし)十 勝(しよう)の一にして往古(そのかみ)吉良(きら)政忠(まさたゝ)|園中(えんちう)にありしと云 至(いたつ)ての老樹(らうしゆ)にして單(ひとへの)辨(はなひら)白花(しろきはな)なり》  洪鐘(こうしやう) 《割書:佛殿(ふつてん)の前(まへ)左(ひたり)の方(かた)にあり旧鐘(きうしやう)の銘(めい)は寛文(くわんふん)十二年 鐡牛(てつきう)和尚(おしやう)の製文(せいふん)にして和尚(おしやう)の|自枚(しまい)摘稿(てきかう)に出(いて)たり今(いま)存(そん)する所(ところ)のものは延宝(えむはう)七年 中興(ちゆうこう)天極(てんきよく)秀道(しうたう)和尚(おしやう)銘(めい)する所(ところ)なり》