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コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 5 江戸名所図会

江戸名所図会 20巻 巻之8 - 翻刻

江戸名所図会 20巻 巻之8 - ページ 57

ページ: 57

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【右丁】  《割書:とし喜多見(きたみ)若狭守(わかさのかみ)勝重(かつしけ)とよへり小田原(をたはら)没落(ほつらく)の後(のち)遊客(ゆうかく)となり御當家(こたうけ)に属(そく)し奉る|故(ゆゑ)に江戸(えと)は御當家(こたうけ)御 居城(きよしやう)の地(ち)なるを以てはゝかりて氏(うち)を改(あらたむ)といふ勝重(かつしけ)の二男(しなん)喜多見(きたみ)》  《割書:五郎左衛門 重恒(しけつね)其子(そのこ)若狭守(わかさのかみ)|重政(しけまさ)より後(のち)其家(そのいへ)滅(めつ)す》喜多見氏(きたみうち)建立(こんりふ)の寺院(しゐん)なりといふ 天神森(てんしんのもり) 慶元寺(けいけんし)の前(まへ)小高(こたか)き岡(をか)にあり《割書:北見氏(きたみうち)陣屋(ちんや)|の跡(あと)なりと云》歌枕(うたまくら)天神(てんしん)と号(かう)す  《割書:哥枕(うたまくら)の来由(らいゆ)|考るへからす》天王(てんわう)を相殿(あひてん)とせり相傳(あひつたふ)往古(そのかみ)澤庵(たくあん)和尚(おしやう)堺(さかい)南宗寺(なんそうし)に  勧請(くわんしやう)せられしを承應(しやうおう)年間(ねんかん)喜多見(きたみ)久太夫(きうたいふ)重勝(しげかつ)大坂(おほさか)にありし  頃(ころ)神木(しんほく)の梅樹(はいしゆ)と共(とも)にこの地(ち)に移(うつ)し自(みつから)の園中(えむちゆう)に勧請(くわんしやう)す天神(てんしんの)  森(もり)其(その)旧跡(きうせき)なりと云 神影(しんえい)は画像(くわさう)にして古 土佐(とさ)の筆(ふて)と云 後(のち)故(ゆゑ)  ありて此地(このち)石井(いはゐ)兼重(かねしけ)の家(いへ)に傳(つた)へ梅樹(はいしゆ)も又 自(みつから)庭前(ていせん)に遷(うつ)したり  しか後(のち)兼重(かねしけ)の子(こ)通兼(みちかね)と云人 大蔵村(おほくらむら)の永安寺(えいあんし)に安置(あんち)すと  なり故(ゆゑ)に永安寺(えいあんし)にも神木(しんほく)の若木(わかき)あり 除蝮虵(まむしよけの)神符(しんふ) 北見村(きたみむら)の内(うち)宿(しゆく)といへる地(ち)に住(すめ)る農家(のうけ)斉藤(さいとう)伊右衛門(いゑもん)  某(それかし)か家(いへ)に傳(つた)ふ毎歳(まいさい)四月八日に此(この)神符(しんふ)を諸人(しよにん)に与(あた)ふ蝮蛇(まむし)に  齩(かま)れたる人 此家(このいへ)に至(いた)り禁咒(きんしゆ)を乞(こ)へは忽(たちまち)に其痛(そのいたみ)を去(さり)毒(とく)を消(せう) 【左丁】  する事 甚(はなはた)奇(き)なり其(その)神符(しんふ)に永禄(えいろく)二年未九月廿日 斉藤(さいとう)道善(たうせん)  藤原(ふしはらの)忠嘉(たゝよし)再(ふたゝひ)改之(これをあらたむ)と注(ちやう)したり 普命山(ふみやうさん)禱善寺(たうせんし) 華蔵院(けさうゐん)と号(かうす)同所 北(きた)の方(かた)へ廻(めく)りて三町 餘(あま)りに  あり天台宗(てんたいしう)にして深大寺村(しんたいしむら)の深大寺(しんたいし)に属(そく)せり《割書:氷川明神(ひかはみやうしん)の別當(へつたう)|寺(し)にして昔(むかし)は宮本(みやもと)》  《割書:坊(はう)と号(なつ)|くると云》  本尊(ほんそん)は座像(ささう)の藥師如来(やくしによらい)にして二尺五寸 計(はかり)あり脇士(けふし)に十二 神将(しんしやう)  の像(さう)を置(おき)たり往古(そのかみ)江戸(えと)刑部少輔(けうふのせういふ)頼忠(よりたゝ)を以(もつて)大檀那(たいたんな)とす《割書:此(この)頼(より)|忠(たゝ)は》  《割書:江戸(えと)太郎(たらう)重長(しけなか)より五代(こたい)の孫(そん)江戸(えと)彦次郎(ひこしらう)|常光(つねみつ)の子(こ)にして小田原(をたはら)北条家(ほうてうけ)に属(そく)す》  藥師堂(やくしたう)《割書:本堂(ほんたう)の前(まへ)左(ひたり)の方(かた)にあり立像(りふさう)一尺八寸 計(はかり)の木像(もくさう)にして作者(さくしや)しるへ|からす宿願(しゆくくわん)あるもの其家(そのいへ)へ遷(うつ)しまゐらせ通宵(よりすから)法施(はふせ)供養(くやう)なし奉る》  《割書:故(ゆゑ)に道俗(たうそく)宿藥師如来(やとやくしによらい)と|称(しよう)しまゐらするといふ》 氷川明神(ひかはみやうしん)社 同所の左に並(なら)ふ禱善寺(たうせんし)別當(へつたう)奉祀(ほうし)す祭礼(さいれい)は九月十  八日なり相傳(あひつたふ)勧請(くわんしやう)の年歴(ねんれき)久遠(きうゑん)にして詳(つまひらか)ならすといへり永禄(えいろく)十  三年庚午四月 江戸(えと)刑部少輔(けうふのせういふ)頼忠(よりたゝ)社(やしろ)を建立(こんりふ)せし頃(ころ)の梁牌(むなふた)