みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

地震考證 全 - 翻刻

地震考證 全 - ページ 30

ページ: 30

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心ある身にハ哀ぞしられけるかたる住居を家とおもへば 或君に二人の臣あるひとりハ《ルビ:賢|かしこ》人にて一人ハ《ルビ:佞|ねじけ》人 也然るに 《ルビ:佞人|ねじけ》ハ残りて《ルビ:賢人|かしこ》の方棟にうたれて死しけれハ 天ハ是か非歟と疑ふ諺も今更おもひあたる世の中 君に忠親に孝ある武士も黄なる泉に行ぞはかなき 《ルビ:賢人|かしこ》救ひもやらでいかなれハねぢけ心のなゐハうとまし 沢氏なる者なゐハ逃れしかども失火に家倉焼落 なゐふるを逃れ□□しと思ふ間に早燃出る煙うたてき 吉田何某梁を背負て一子の名を呼を相図に息絶たり 梁を背負ながらも子を思ふ親の心をしらぬなゐかな 宮沢氏の妻乳飲子を抱きながら棟に打れ死したり 乳飲子の乳房離さす其まゝに死出の旅路に行そはかなき 地震の夜森に凭る小鳥一時に飛さりければ なゐふりて塒の鳥も歌なくか心ならずもさわく冬の夜 或人仕を辞して菩提の道に入けるが其庵へ人々来り候 誰々ハ死し某ハ怪我せしなど話を聞て