徳島県立図書館所蔵資料を翻刻

コレクション: コレクション1

近頃古狸珍説 礼義智信 - 翻刻

近頃古狸珍説 礼義智信 - ページ 59

ページ: 59

翻刻

去程に津田方には禁長早速押寄 来るべしと用意して相待けれども 何か沙汰もなかりしゆへ今は心あしと 用心も怠(おこ)たり昼夜酒宴をなして 居ける所へ物見(ものみの)の狸あわたゝしく走り 来り只今日開野禁長が勢と相見 へ二三百 計(ばかり)りの勢(せい)にて津田川を静 に渡り此所へ押寄来り旨早〳〵御用 意あつて然るべしと息継(いきつぎ)あへず 注進しければ皆〳〵大ひに驚きあわて ふせぎの用意を致しける時に川島九左衛門 あさ笑ひ禁長 己(おの)れの武勇にほこり纔(わづか) の小勢を以て押寄来る事片腹致し某 馳向(はせむこ)ふて蹴殺(けころ)すべし作右衛門八兵衛か弐尺【疋ヵ】は 本陣を守(まも)り■【給?】へと言捨 屈竟(くつけう)の狸四五 百引連て一さんに川嶋へかけ行向ふを きつと見るに其勢弐百計かり大石小石 を拾(ひろ)ひ真一文字に津田山へ押寄たり