徳島県立図書館所蔵資料を翻刻

コレクション: コレクション1

近頃古狸珍説 礼義智信 - 翻刻

近頃古狸珍説 礼義智信 - ページ 89

ページ: 89

翻刻

千万也さよふ成る愚昧(ぐまい)の汝を何と て我師とすべきや汝人の交(まじわ)り義 なし諸人を惑(まど)わせどもまだ畜(ちく) 道(どう)の因縁を放れず依て今日 只今一たん師と頼みし縁を切る 其方の首を取諸国の狸の見せしめ に此土地に晒(さら)さんと大音に呼わりける 小鷹進み出ていかに六右衛門汝か謀反(むほん) に依て我父を討れ無念の思ひ 止事なしよつて汝が首を作右衛門 が我父の墓に手向(たむけ)んと思ふ也心よく 首をのべて出られよと詈(のゝし)りける小鹿 子も進み出やさし■(き)声にて申けるは いかに六右衛門汝我夫鹿子を用事 ありと偽り欺(だま)し討にしあまつさへ 其 尸(かはね)を道に捨犬のゑじきとなし 諸人に晒(さら)し候事重〳〵の恨(うら)み也 早〳〵出て尋常(しんぜう)に勝負すべしと