翻刻!草双紙の世界

コレクション: NDL鳥居清長

嗚呼不侭世之助噺 : 3巻 - 翻刻

嗚呼不侭世之助噺 : 3巻 - ページ 3

ページ: 3

翻刻

【中表紙裏】 【所蔵者署名?】 △ 御月 【一丁表】 むかし かまくらのかたいなかに【片田舎に?】福兵衛といふ【この行綴じ目で見えず】 百姓あり むすめ一人もちけるか 百人に すぐれし び人【美人】にて 今年十七になり ければ 江戸へほうこうに出さんと おもひ しんるいのかたへ つれゆく 【右下 娘の台詞】 とつさま にし【汝】も くたびれさしつたんべい あれみなさろ あんなゑゝもの をきてあるき ますはよ 【左下父親の台詞】 おきくや わりやア あるきつけねへから さぞあしが かんだるかんべい もふは ちく とんべいだ

現代語訳

【中表紙裏】 【所蔵者署名?】 △ 御月 【一丁表】 昔、鎌倉の片田舎に福兵衛という【この行は綴じ目で見えず】 百姓がいた。娘を一人持っていたが、百人に 優れた美人で、今年十七歳になった ので、江戸へ奉公に出そうと 思い、親類の方へ連れて行く。 【右下 娘の台詞】 お父さん、あなたも 疲れてしまったでしょう。 あれを見なさい。 あんな良い着物を 着て歩いている 人たちですよ。 【左下父親の台詞】 おきくや、お前は 歩き慣れていないから さぞ足が 痛いだろう。 もう少しで 着く だろう。

英語訳

【Back of Inner Title Page】 【Collection owner's signature?】 △ Gogetsu 【First Page Front】 Long ago, in a rural area of Kamakura, there was a farmer named Fukubei. He had one daughter who was a beauty superior to a hundred others, and this year she turned seventeen, so he thought to send her to Edo to work as a servant, and took her to a relative's place. 【Bottom right - Daughter's dialogue】 Father, you too must be tired. Look over there— those people walking around wearing such fine clothes. 【Bottom left - Father's dialogue】 Okiku, since you're not used to walking, your feet must surely hurt. We'll arrive soon.