みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

浅間焼見聞實記 - 翻刻

浅間焼見聞實記 - ページ 32

ページ: 32

翻刻

かへらす其後盗賊のはかり事にや又々泥おし来る也逃た まへと大聲に罵りけれバ人々先にこりたる侭誠なりと思ひ 足を空にして山へ逃行ける其跡にて家蔵へ入財宝を  ぬすミとりしとや其砌諸々富家の人ハ思ひ〳〵に米金ヲ 施行いたしける也大戸村安左衛門ハ近在迄壱けん金壱分つゝ 賦ると也川向へハ矢文を射向ふに居當りし吉右衛門へ告郷原ゟ 上の山本迄壱軒壱分宛遣ス川原湯の孫左衛門是ハ米を 出しける一説に澁川ゟ大戸迄流残りし人難義なりしを 扶持しけると也よりて 御公儀より御褒美被下置と也 小与 小宿 芦小田 袋倉 此四ケ村ニ而流残りし人 九拾三人有り大笹村ニ小屋をしつらひ所の名主長左衛門 星又彦五郎是も大戸に劣らぬ富家也馬を三十疋持し也 神原村黒岩九左衛門右三人ニ而扶持しける其後彼九拾三人 男女としに應しめあハセ流残りし畑をつくらせける となり是を大笹一夜の婚礼といへりと也右の三人のもの 御公儀より奇|特(トク)なるはからひ也と御ほめ被成銀拾枚つゝ御褒 美被下苗字御免也長野原人馬大方死是ハ逃場なき故也 うしろハ岩山にして登る事かたし前ハ泥押来り下モへ  逃んとしけれハ小川有りて泥押入わたる事難し羽尾村 是も同しく下もを大石大木ニ而セき留 村をかミの方へ流し ゆへ不残押埋 田中と云里ニ而ハ泥押しきたりしを大風土を 吹立けると心得家々にて戸をさし居たりしゆへのこりなく押