翻刻
スヽカタケ
赤城山 沼田本街道
東
浅間焼見聞実記 上の巻
天明三ノ年癸卯春二月の中頃ゟ信濃の国浅間やま
焼出し三月中頃迄は一日ふたひ又は四五日間あつてやけ
つゝ卯月十日頃ゟ日毎車引如くどろ〳〵と鳴り渡
折々は雷のことく鳴りて黒焼り空へ吹揚いと〳〵すさ
ましきありさま也五月に至りても夜る昼鳴音のやま
すしてはいの降事度々也折しもこかい時成はふりかゝ
りし桑の葉の灰を人々いかならんと気つかはしく思へ
ともあまたなれば洗ふ事にも及難く詮すへなくふり
おとしたるのみにてくわせけるにや繭作りもいと悪し
く六月土用になりて日増に強くして浅間やま北裏
へは焼砂折々降て田畑共に諸作用立兼し躰