みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE9

やぶれ窓の記 全 - 翻刻

やぶれ窓の記 全 - ページ 25

ページ: 25

翻刻

時もあらんには日の災ひおこらしめざらんがため 竃は焚終らば早く消しおき手爈(ヒバチ)火納(ヒイレ)なとへは 蓋おきて立さるべき心構をかねてすへきむねの ふたくたりを觸示さる八日|天(ソラ)曇る在宿けふ 市中組〻の坊正(マチナヌシ)よりなゐぶりの次第書記して 町奉行所《割書:南池田播磨守殿|北井戸対馬守殿》へさゝぐ其有やう変死人通計 三千八百九十五人男は千六百十六人女は弐千弐百 七拾九人なり《割書:此中新吉原町変死人六百三十人たゝし男百三人|女五百廿七人なりこは名字住居つまひらかなるものを》 《割書:選たるにて此外 他より入こみしものゝ死したるなとを|猶とりかさねたらんには必一千人をこゆへしといへり》潰家一万四千 三百四拾六軒幷千七百廿四棟潰土倉千四百四ケ所《割書:此余の|土倉》 《割書:すへて破損|せさるはなし》町家焼失惣町数凡長二里拾九町幅平均 二町程其町〻を爰に記す《割書:但し日本橋南長サ壱町十間余幅|平均二町廿四間程○日本橋北長サ一里》 《割書:二町四十間余幅平均壱町四十七間程○本所深川長三十一町十間余幅平均|壱町四十三間也○御曲輪内諸家方焼失不明依て爰に記さず○小川町武家方》 《割書:大小五十軒余にて長サ七町半余幅平均|四丁程○内海二ノ御台場一円焼失也》 一南鍛冶町壱丁目狩野探原屋敷五郎兵衛町北紺屋町  畳町白魚屋敷南伝馬町壱丁目弐丁目南大工町  松川町壱丁目本材木町七丁目八丁目鈴木町因幡町  具足町柳町炭町此火元南鍛冶町壱丁目家主 【上段】 斯る変事に依て 人〻はからずも 家を捨て退き のかれたる後に あやまちて家より 火の出るものは おのつから皆家主の 罪を得るもの也 されはすべて家主を もてこゝに火元とす