翻刻
火と《ルビ:剋|コク》する故水性の人には南を《ルビ:避|サケ》るといへり
《割書:木性ノ人は西方火性ノ人は西方金性ノ人は|東方土性ノ人は北方ト云云》此説理に
《ルビ:似|ニ》たれとも是も《ルビ:鑿説|サクセツ》にして取にたらす
《ルビ:予|ヨ》かつて此事を《ルビ:案|アン》するに是上代の《ルビ:遺風|イフウ》也
《ルビ:易|ヱキ》ニ曰《ルビ:上古|ゼウコ》穴《ルビ:居|キヨメ》《ルビ:野処|ヤシヨス》《ルビ:後世聖人|コウセイノセイジン》《ルビ:易|カフルニ》之《ルビ:以|モツテス》《ルビ:宮|キウ》
《ルビ:室|シツヲ》とあり然れは上代《ルビ:家居|イヱヰ》のはしまら
ざる時は《ルビ:穴|アナ》を《ルビ:掘|ホリ》て人其内に《ルビ:住居|スマヰ》せしと
なり《ルビ:後世|コウセイ》の《ルビ:聖人|セイジン》とは《ルビ:黄帝|クワウテイ》をいふなり
《ルビ:黄帝|クワウテイ》ノ《ルビ:時|トキ》《ルビ:工倕|コウスイ》ト云者《ルビ:始|ハジメ》テ《ルビ:宮室|キウシツ》ヲ《ルビ:造|ツク》レリ《ルビ:詳|ツマビラカ》ニ黄帝
内伝《ルビ:穆天子伝|ボクテンシデン》《ルビ:及|ヲヨビ》《ルビ:白虎通世本等|ビヤクゴツウセホントウ》ニアリ
我朝にては《ルビ:伊弉諾尊|イザナギノミコト》《ルビ:伊弉冉尊|イザナミノミコト》《ルビ:磤馭|ヲノコ》
《ルビ:蘆島|ロシマ》に《ルビ:降居|アマクダリ》まして《ルビ:八尋御殿|ヤヒロノゴテン》を立て《ルビ:天柱|アマノハシラ》
を立給ふとあれば此《ルビ:二神|フタバシラ》以前は《ルビ:穴居|ケツキヨ》なりと
見へたり人代に至りても《ルビ:賤|イヤシ》き者は皆穴
中に住居せしと見ゆ《ルビ:既|スデ》に《ルビ:神武|ジンム》天皇の
《ルビ:詔|ミコトノリ》にも《ルビ:巣|ス》に《ルビ:住|スミ》穴にすむ《ルビ:是習|コレナラハシ》《ルビ:惟|コレ》《ルビ:常|ツネ》と
《ルビ:宣|ノタマ》へり是を以《ルビ:考|カンゴフ》れは《ルビ:後|ノチ》もても《ルビ:穴|アナ》に《ルビ:住|スミ》