翻刻
匹婦匹夫(ヒツフシツフ)の強死(ムリシニ)するさへ人に憑(ヨ)りて祟(タタリ)
をなす況伯有(イワンヤハクユウ)は穆公(ボクコウ)の孫鄭国(マコテイコク)にて
至(イタツ)て貴(タツト)く何の腆(モ□イ)事なしといへとも強死(ムリシニ)
せり祟(タタリ)をなす事|宜(ムベ)ならすやといへり然れは
伯有(ハクユウ)は天命(テンメイ)の死(シ)を遂(トゲ)ず常理(ジヤウリ)に背(ソムヒ)て
死(シ)するが故に一気(イツキ)猶散(ナオサン)ぜず鬱結(ウツケツ)して
妖(ヨウ)をなせり然れとも一度(ヒトタヒ)其|憤(イキトヲリ)を解(トク)時は
其|妖(ヨウ)も自消(ヲノツカラセウ)せり是|形(カタチ)あるにあらず只|気(キ)
のみ也故に形なき気(キ)を解(トク)也其形と
見ゆるも結(ムス)ぼふれる気なり先祖(センソ)を
祭(マツル)も気(キ)を以|気(キ)に向(ムカ)ふと知るへし
山□蔵書【蔵書印】
或問珍六終