翻刻
温泉主治(とうじこうのう)
◯御座湯(ござのゆ)
効能・癩病(らいびやう)・諸眼病(しよがんびやう)・諸腫物(しよはれもの)・無名之悪瘡(なもなきできもの)
其外|諸(もろ〳〵)ののほせを治(ぢ)す
此湯は草津温泉の根元(はじめ)なり上にいふ鎌倉(かまくら) 将軍(しやうぐん)の湯に浴(いら)せ給ひてより
御座湯といふと云々傍に一ツの社あり頼朝(よりとも)の宮といひつたふ
湯性冷(ひやゝか)なり清水を加(くは)ゆるのゆゑなり世の諸|癈病(なんひやう)此湯にいりて
癒る者尤多し病名にかゝはらずのぼせのもの此湯に入てよし
◯熱(ねつ)の湯
主治・諸瘡毒(かさのるい)・胎毒(たいどく)・疥癬(ひぜん)・便毒(よこね)・疝気(せんき)
揚梅瘡・すへてうちに澱て有毒をおひ出し癒(いや)す
此湯性大熱なり故(ゆへ)に熱の湯と号(なづ)く諸病内に有を変(かはらす)の効(こう)諸湯に
諸毒上にあぐる病いろ〳〵㬶澱毒(こうかも?の?)有共先此湯に入ていへさるものなし
只 らひびやう なます たむしのもの入べからす
◯脚気(かつけの)湯
ねつの湯と大がい同し只諸かつけを治(ち)するの効外の湯に
すぐるゝゆへに脚気の湯となづく
◯綿(わた)の湯
主治・ひへ症・しつ・むし・むねせなかいたみ・こしのいたみ
せんき・五|痔(ぢ)・こしの病・らうがい・ひきよ?おとろひ
此湯も熱(ねつ)のゆと大がひ同しなれどねつのゆはおい出(いた)すの効(こう)有此湯はおとろへよはき人を
すくふの効熱ノ湯に勝れたりやわらかにしてもろ〳〵の冷(ひへ)を治(ぢ)すをもつて綿の名を
えたるべし一婦人年久しき血毒腹中にかたまり有に吉又はこなき女も子をえる
事妙なり 心長く 入時は気力をまし万病によし