翻刻
ひとさとのところ〳〵市もなりいてにけむ 正矯
岩ゆするあたみのいてゆきてみれはこゝろさへにて
ところきにける
廿八日 雨ひまなくふりしきりわひしさにたへねはゆのわきいづ
るやうたいはしめ給猶ようみんとてゆくゆくちはわつかに
二さくはかりなりわきいつるはしめはしろきけふりすこしいて
そめてをくるまのところ〳〵やうなる音つちの座にきこゆ やう〳〵
さかりにたちのほるほとになりては響はいかつちのなりはた
めくことくつちもさけ山も崩れぬへくけふりは白雲の八重
たなひくことく風もなひけあへすみ空にたちのほれり
やゝひゝきやみけふりうすうなりてより湯ほとばしりいづ
そのさまかなへのわきあふるゝやうにて木曽の谷川たきち
落る水もかうはかりはあらしとそ覚ゆるしはしかほとにて
やみまたわくかくする事三たひにてまた〳〵やみまた其時の
きたるをまちてわくなり月のうちにひと日長わきとてひね
もすわく事ありとそさやうのときは其夜は露はかりも
わきいてすよもすからわく時はつきの日わかすとなんいふ
あはれ此ゆよいつはかりよりやわきいてそめけんところ
の名にさへおひにたれは 神の世のむかしよりかくこそわき
いてたりけめくしくもあやしき神にそありける
ちはやふる神のむかしに大名持少毘古名の大神
やつくりましけむあつさゆみい豆の国へにいつる