みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

挿画熱海日記 全 - 翻刻

挿画熱海日記 全 - ページ 33

ページ: 33

翻刻

いたくふりぬれはみはたたにたてあへすいとしめやかなりにしか 午のかひふく頃よりすこしをやみて人々よろこひあふめり 此みまつりにかしま踊といふ事す浜辺のあまともか れいもする事とてむかしよりの手ふりをつき〳〵つたへたる まゝに一手一こともたかへしとかまへて三日四日前つ日よりいそへ にいててれんするなりゐなからとのじはうなるこれひとつ にもしりぬへしふることのおほく片田舎にのこれるもよろ つにかくじちえうなれはなりけり日くれてみあかし ともしつらねにきはひしかまた雨のふりいてぬれはそれも かひなしかうたくるまゝに嵐つようふきあれて谷川の おとろ〳〵しうなりわたるに夜たゝいもねられすあめの あしあたるところとほりぬへくかくて世はつきぬるにや といひけむ浦わのさまもおもひいてられていとなむ こゝろほそきや   旅にしてきけはそことにうかりける家にはふかぬ あらしならねととうめきいてらるゝもわひしさにたへねは なりけり 十六日 風いまたやまねと雨はなこりなくはれて浮雲 のひまに日かけのすこし見えそめたるけふたちまふ 人々はうとんけのはなまちえたるこゝちこそせめ風 秋めきてすゝしかりけれはよへのわひしかりし事もわす られて心もすか〳〵しう覚えぬ栗なとの落たるに 【欄外】 伊勢物語 いとまめにしちえう にてあたなる心なかり けり 源氏須磨 雨のあしあたるところ とほりぬへくはらめき おつかくて世はつきぬる にやとこゝろほそくおもひ まとふに云々