翻刻
コントサヘゝ
しなのゝはなしをきくに。天地ひらけてふしぎ
をいへば。あふみのうみするがのふじは。たつた一よに
できたときこへ。それはみもせぬむかしの事よ。
こゝにふしぎやしなのゝぢしん。ゆうもかたる
もみのけがよだつ。頃は弘化の末のとしの。
花の三月下ぢゆんのころよ。廿四日の夜の
四ツ頃に。どんとふりくるぢじんのさわぎ。
たばこ一ツふくおとさぬ内に。所は善光寺
飯山かけて。春坂松本松代上田。富田御
城下町にゝけて。ざいの村そのかずしれず。
つぶれやがずはなんまんなるや。人馬しんだは
なんぜんなるや。かずもかぎりもあらまし
ばかり。親は子をすてこへは親すてゝ、あかぬふうふ
のなかをもいはず。すてゝにげだすその