みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

浅間大焼騒動記 中 - 翻刻

浅間大焼騒動記 中 - ページ 23

ページ: 23

翻刻

唐にして腹ふくれもへつそりと腹をへら して走廻り和泉屋山城やも打つぶし 大黒屋彦兵衛宅にふみ込て是も散々に打破り 俵も運命小袋も皆取出しさきさばき 打手の小槌を懸矢にしてひしやり〳〵と うち潰しにつこと笑大黒もふつてう面(ヅラ) にて迯まはる大黒舞を味噌くそにてん 〳〵舞おぞさせにける次に百姓藤兵衛宅 是も同く打潰し藤兵衛兄弟は釼術たんれん のものなれば切散さんと思ひて御支配へ 窺ひけれは百姓へ手指事堅無用と制 せられ無甚なからもこらへしと也すでに さきに立|漣(サゝナミ)立て吾先に志賀の都を あらさんと天地の御宇の小角より心は ぜんき五|器(キ)一道のまくわんとあわれゆく 志賀の里にはこれを聞神津半右衛門

現代語訳

腹を空かせて腹がぺこぺこになり、痩せこけて走り回り、和泉屋や山城屋も打ち壊し、大黒屋彦兵衛の家に踏み込んでこれも散々に打ち破り、俵も運命尽きて小袋もみな取り出してずたずたに切り裂き、打ち手の小槌を投げ矢にしてひしゃりひしゃりと打ち潰し、にっこと笑う大黒様も仏頂面で逃げ回る。大黒舞を味噌糞にして、でんでん舞を踊らせたのである。次に百姓藤兵衛の家も同じく打ち壊した。 藤兵衛兄弟は剣術を鍛錬した者なので切って散らそうと思って、御支配所へお伺いを立てたところ、百姓に手を出すことは固く無用であると制止され、無念であったがこらえたということである。 すでに先頭に立って波風を立て、我先に志賀の都を荒らそうと、天地の御宇の小角より心は前鬼後鬼五器一道の魔観となって、哀れにも行く志賀の里では、これを聞いた神津半右衛門が