翻刻
【右丁】
其まゝ市(いち)に出(いた)す皆以て佳品とす生なる時は緑色 乾(かは)かす
時は紫色(ししよく)となる此物武州大森の産を上品とす諸国共
にこれあれとも香味及■【わヵはヵ】すといへり其形色も大同小異に
して一ならす其数《振り仮名:枚挙|は【まヵ】いきよ》すべからす本朝食鑑に雪のりと云物
形石耳の如(こと)く細に剉(きさ)み軽薄(けいはく)紙(かみ)に似て生は青く乾は紫味
ひ淡(あわ)し愛(あい)すへし佐渡越後浜辺石上に生する者なりといへり
一種 うつふるいのり《割書:三|種》
大和本草に雲州の十六島(うつふるひ)も皆紫菜の類也うつぷるいと
は海中の苔(こけ)をとり露を打(うち)ふるいて乾(かはか)す故に名(な)つくといへり
形状 細(ほそ)く糸(いと)の如(こと)し長さ二三尺なるあり其中 広(ひろ)さ一寸 位(くらひ)なり
をかもしのりと云其下品なるをつきのりと云
【左丁】
浅草のり