翻刻
【右丁】
石蒪(せきせん)
【左丁】
石花菜(せきくはさい) こゝろふと《割書:和名|鈔》 こるもは《割書:本朝|式》 ひしもは《割書:同|上》
ところてんくさ 瓊枝(けいし)《割書:広東|新語》
海中の石上に生す一根 叢生(さうせい)し長(なか)さ二三寸形 石蕊(せきすい)の如くにして
枝多く生なる時(とき)は青白色或は紅色のもの又紫色を帯(おふ)るもの
乾くときは白色となり此を水に泡して砂を去湯にて久(ひさ)し
く煮(に)器に入れ水に浸(ひた)す時は凍結(かたまり)て蒟蒻(こんにやく)の如く透(すき)とほり
て明(あきらか)なり此 時珍(しちん)食物本草に云瓊脂也瓊脂を曝乾(ほうこん)し
紙の如くなし又 四方(しかく)になしたるを乾(かん)てんといふ此に紅色なる
ものあり
一種 ふのり《割書:和名|鈔》
大和本草に処々の海浜の石に付て生すちいさきを小ふのりといふ
羹(かう)として食(しよく)す其味ひ甘し其大なるを水に洗(あら)ひ干(ほ)し貯(たくは)へ煮て糊(のり)
とす紙工これを用ゆ民用多し又大小煨し柿漆(しふ)に和して紙をつき
【十二行下から二字目「乾」のルビ「こ」は「か」ヵ。左側に縦線が有り「せ」にも見える。次行では「か」。】