翻刻
【右丁】
きこゆるなとかのくえんしの建立
ありし姫宮の持仏堂も思ひ出られ
てあはれなりされは朝市のふる
ものあつかひよと人いふめれとたゝに
やはとて長嘯子のえらひ給へる諸虫
歌あはせの跡を追て恋のこゝろの
され歌をのはへ【述ばへ】侍るにとかくして夜も
ふけ侍し江山風月常のあるしなけ
れは地しろをせむる大屋もあらねと
草のむしろのまらうと為は【なるは】なく虫
【左丁】
こそあるしなれとてつゆけき方
にうちむかひてねもころにぬかつきて
立ぬこれなん三百六十のひとつ
なかまのいやなりけらし
宿屋飯盛
しるす