翻刻
もの将門の本を買ニ参りよしニ付ふしぎニ存
何ニ被成候や尋候ヘはそんなに面倒ならはい
らぬと申帰り候よし其後嘉七事裏より蔦清へ
参り又将門の本を買ニ参候由其節も又尋候へ
は稽古いたし候間入用ニ候と申候由夫は甚よ
ろしかる間敷申候ヘは我等ハ江戸の伯父の所
江参り江戸ニ而くらし候積り猶又吉原へ参り
常盤津かたりニ相成候而もくらされるなとゝ
申是非其本を売候様申買候而是は新宅江娘へ
とゝけくれ候様申候由夫は我等は出来不申と
断候よし又申候は三両計の紙入を拵度候間若
出もの有之候はゝせわいたし呉候様申候よし
あまりふしき存所々探索いたし候ヘは嘉七松
兵衛忠助三人ニ而六丁目くわからや裏ニ居候
古稽者婆ニ候所江深更ニ裏の塀を越参り候よ
し咄有之候事
忠助事二階ニ引籠居候ニ付安吉跡ゟ参り見候
所きせるをみかき居候よし安吉参候ヘは直ニ
懐へ入かくし候よし引出見候ヘは煙草入きせ